コラム

福祉貸付事業(独立行政法人福祉医療機構の融資制度)について

障害者福祉や児童福祉、高齢者福祉などの施設を運営する方にとって実に心強い、そしてメリットの多い公的融資制度があります。それは独立行政法人福祉医療機構(略称:WAM)が行っている“福祉貸付事業”です。現在は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて事業停止等になった福祉・医療関係施設の運営事業者に対する無担保・無利子融資、既往貸付の返済猶予なども行っています。(パンフレット(PDFデータ)

“福祉貸付事業”全般の制度概要を下記のとおり掲載させていただきますので、少しでもご興味のある方はぜひWAMのパンフレット(PDFデータ)にて詳細をご確認ください。

融資対象 介護保険法、障害者総合支援法、障害者自立支援法、児童福祉法などを根拠法令とする施設を運営する法人は原則対象になります。以下、対象となる障害福祉サービス施設のごく一例です。

  • 生活介護事業所
  • 重度障害者等包括援助事業所
  • 就労継続支援事業所(A型・B型)
  • 就労移行支援事業所
  • 共同生活援助事業所(グループホーム)
  • 放課後等デイサービス
資金使途(基準事業費) 【設置・整備資金】

  • 建築資金・設備備品整備資金
  • 土地取得資金

【経営資金】

  • 運転資金など
融資限度額 (1)(基準事業費-法的・制度的補助金)×融資率※
(2)担保評価額×70%
原則(1)及び(2)で算出した額のうち、いずれか低い額。
※融資率:施設の種類などに応じて、原則70%~80%。(優遇措置あり)
主なメリット ◎福祉施設の種類や資金使途に応じて、融資率、融資額、償還期間、据置期間、貸付利率、無担保貸付額などの面において様々な優遇措置が設けられています。
◎民間金融機関と連携した協調融資制度、代理貸付の制度があります。
◎団体信用生命保険特約制度(略称:団信)に任意加入できます。

福祉貸付

繰り返しになりますが、この福祉貸付事業は介護・福祉施設の運営事業者にとって実に心強い制度です。個人的に唯一残念に思うことは融資の相談窓口が全国で2拠点しかないことです。(東京本部:東日本の事業所・全国のNPO法人、大阪支店:西日本の事業所)この融資の利用には自治体や建設業者、税理士、司法書士など多数の関係者との連絡・調整が不可欠です。誰が担当してもよいのですが、資金計画全体をコーディネートし進捗管理できる人の存在が必要ですし、身近にWAMの相談窓口があった方がよいことは言うまでもありません。

当事務所においては、新型コロナウイルス関連の融資制度に限らず、給付金、補助金など資金調達に関するご相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
なお、雇用調整助成金に関する業務は業法上の問題がない範囲(無料相談など)においても現在は行っておらず、当事務所に社会保険労務士事務所を併設後、本年10月頃を目途に開始予定です。