コラム

“障害の種類”、“障害者手帳の申請方法”等について

“障害の種類”、“障害者手帳の申請方法”等について下表の通りまとめました。
障害の定義、基準などに基づき障害福祉サービスの受給資格要件の判定や支援内容の決定が行われます。

身体障害について
根拠法令 身体障害者福祉法(18歳以上)
児童福祉法(18歳未満)
定義 【身体障害者福祉法第4条】
別表※に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。
【別表※に定める障害(抜粋)】
視覚障害、聴覚または平衡感覚の障害、音声機能・言語機能またはそしゃく機能の障害、肢体不自由(上肢・下肢・体幹・脳原生運動機能障害)、内部障害(心臓機能障害・じん臓機能障害・呼吸器機能障害・膀胱または直腸の障害・小腸機能障害・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害・肝臓機能障害等)
手帳の種類等 身体障害者手帳
【交付基準】
障害の種類別(上記別表※に定める障害)に重度の側から1~7級の等級があります。
7級の障害は単独では交付対象とはなりませんが、7級の障害が2つ以上重複する場合、または7級の障害が6級以上の障害と重複する場合は対象となります。
手帳の申請方法等 市区町村の窓口にて、専用の申請書類(交付申請書、診断書)を提出することにより申請します。なお、診断書については、かかりつけ医ではなく都道府県が指定した指定医が記入しなければなりません。
手帳の有効期限 障害の程度に変化が予想される場合は再認定の期日(手帳交付時から1~5年)が指定されますので、期日までに指定医の診断を受けるなど再認定の手続きが必要になります。

 

 

知的障害について
根拠法令 知的障害者福祉法(18歳以上)
児童福祉法(18歳未満)
定義 法令では示されておりせんので、下記の療育手帳の判定基準をご参照ください。
手帳の種類等 療育手帳
【障害の程度及び判定基準】
重度(A)の基準
(1)知能指数が概ね35以下であって次のいずれかに該当する者。
①食事、排泄、入浴、洗面、着脱衣等、日常生活の介助を必要とする。
➁異食、興奮など、問題行動を有する。
(2)知能指数が概ね50以下であって盲、ろうあ、肢体不自由等を有する。
中度・軽度(B)の基準
重度(A)に該当しない場合。
手帳の申請方法等 医師の意見書などは不要で、まずは市区町村の障害福祉の窓口に相談します。それから、知的障害者更生相談所(18歳以上)または児童相談所(18歳未満)において心理判定員や小児科医が障害の程度や手帳交付の必要性の有無を総合的に判定します。
手帳の有効期限 療育手帳は各都道府県により運用方法が異なりますが、2~5年で再判定する自治体が多いようです。広島県では年齢に応じて判定の期限を定めています。

 

精神障害について
根拠法令 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
定義 【同法第5条】
この法律で精神障害者とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有するものをいう。
手帳の種類等 精神障害者保健福祉手帳
【交付基準】
次の精神障害の状態にあると認められた者に交付されます。
1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。
2級:精神障害であって、日常生活が著しく制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
3級:精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるかまたは日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの。
手帳の申請方法等 市区町村の担当窓口を経由して都道府県知事(政令指定都市の場合は市長)に申請します。申請書類(交付申請書、所定の診断書用紙)のうち、診断書に関してはかかりつけ医に作成してもらいます。
手帳の有効期限 手帳の有効期限は交付日から2年を経過する日の属する月の末日となっています。2年ごとに、障害等級に定める精神障害の状態にあることについて、都道府県知事(政令指定都市の場合は市長)の認定を受けなければなりません。

 

発達障害について
根拠法令 発達障害者支援法
定義 【同法第2条】
この法律において発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
【同法施行令第1条及び施行規則】
脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもののうち、言語の障害、協調運動の障害その他の心理的発達の障害並びに行動及び情緒の障害。
手帳の種類 独自の手帳制度はありません。そのため、自閉症などで知的な遅れがある場合は療育手帳を取得でき、知的な障害が目立たない場合においては交付基準に該当すれば精神障害者保健福祉手帳を取得できます。また、自治体によっては、自閉症特例として基準以上のIQがあっても療育手帳を取得できるところもあります。