コラム
自筆証書遺言の方式緩和(改正相続法)について
「自筆証書遺言の方式緩和」については段階的に施行中の改正相続法の中で最も早く施行されました。(昨年1月)これにより、全文手書きが必須であった自筆遺言書のうち、財産目録については印刷物の使用が認められるようになりました。
具体的には、
◎パソコンで目録を作成
◎通帳のコピーを添付
などが有効になりました。
気を付けたいのは、自筆によらない目録には一枚一枚「署名・捺印」が必要なことです。(両面印刷の場合、両面に必要)これを忘れてしまうと遺言すべてが無効になってしまいます。
改正相続法で昨年新設された緩和ルールは上記の通りですが、もとからある遺言書ルールや注意点についても確認しておきます。
自筆遺言書に記載が必須なのは、
◎日付
◎署名・捺印
の2点です。
・日付は特に注意が必要で、遺言書の作成年月日を特定できないと無効になります。
日付を特定できない例。
令和2年2月吉日
明らかに誤記と認められれば下記のような日付でも有効になる場合があります。
令和2020年2月2日
零和2年2年2日
その他、
・押印する印鑑について法令上の制限はありませんが、三文判やシャチハタは同一印影を誰でも簡単に入手できるためお勧めできません。
・相続不動産の所在地は地番で書いてください。(登記簿謄本に記載されている通りに記入)
・預貯金は銀行名、支店名だけではなく、科目、口座番号まできっちり書いてください。
といった点にも注意しましょう。