コラム

終活はいつから始めるべき?

当事務所では近いうちに、“広島の終活相談室”の開設を計画しています。終活セミナーや相続対策相談会などの開催を通じて、地域の皆様の日頃の不安解消や円満円滑な相続・事業承継の実現に資することができれば幸いです。

 


本日のテーマは“終活はいつから始めるべき?”ですが、基本的には“思い立ったが吉日”と考えています。終活の重要な役割は万一に備えることであり、万一の後では遅すぎるからです。私は約3年前のとある休日、交通事故に遭遇し丸2日間ほど記憶を失う経験をしました。事故状況から、あのまま永久に意識が戻らなくとも不思議ではありませんでしたし、もしそうなっていれば、金融資産の大半をネット銀行に保有していましたので遺された家族がそれらにたどり着けるわけもなく、私のささやかな遺産は休眠預金等活用法に基づき民間公益活動に活用されることになっていたと思います。

 

相続手続き
若い世代の方は終活と聞いても全くイメージがわかないと思いますが、取引している金融機関名(銀行、保険、証券等)のメモ書きを机の引出しにしまっておくだけでも立派な終活です。この場合、メモ書きということ、つまり紙切れということがポイントです。ご家族にとってみれば、web上の媒体やパソコンに保存されたファイル等に比べ、引出しの紙切れの方がはるかに容易かつ確実にアクセスできるからです。ひと昔前であれば、通帳、証書、証券等の紙媒体が有力な手掛かりになっていましたが、それらは時代の流れとともになくなりつつあります。

 


現役世代の方については自分自身の万一のときや老後への備えが終活の中心になり、年齢が進むにつれ相続や事業承継など次の世代へのバトンタッチを具体的に考えていくのが一般的です。しかしながら、健康寿命(元気で自立して過ごせる期間)は男女とも70歳代前半であることを勘案すると、若い世代(40代・50代)の方であっても親世代の介護に加え、終活のお手伝いをする必要に迫られるケースも多いと思います。

 

終活は決して最期を迎えるための活動ではありません。ご自身・ご家族のいろいろな事態に備えておき、今をすっきりした気持ちで自分らしく生きるための活動です。皆様お一人お一人の終活が有意義で価値あるものになるよう、全力でサポートさせていただきます。